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創業を考えていますが、インキュベーション施設とはどのようなものか教えてください。

A<背景>
 昨今、長引く不況の中、既存企業の倒産やリストラの加速、開業率の減少、また若年労働人口の流出などを背景に、地域経済の低迷・活力低下が目立ってきています。このような中で、地方自治体や地元公的支援機関を中心に、創業支援のためのインキュベーション施設の整備がさかんに行われつつあります。地域にとっては、今後戦略的に育成したい産業や既存産業との新たなネットワーク形成が見込まれる業種・業態を優先的に入居させるなど、地域産業活性化の一翼を担う拠点として、また、優秀な人材の定住化などへの期待もうかがわれるところです。これらの施設では、新規に建設されるものばかりでなく、最近では地域の特性を生かして既存の施設を改築整備し、少しでも低コストで、早期に提供できる取り組みも試みられています。
 例えば、東京都大田区では、工場地帯の周辺部で、整理統合化で廃校となった小学校を再整備し、インキュベーション施設としての利用を進めていますし、岐阜県羽島市では、新幹線の駅からわずか徒歩2〜3分、駅前にある繊維問屋街の空きビルを利用して、その極めて高い広域交通利便性を生かしたインキュベートルームを整備しています。
<特徴>
 インキュベーション施設は、開業資金の乏しい起業家・ベンチャー企業を入居対象としているため、その賃料も地域内の一般的な店舗や事業所向けの賃貸料金より格段に安く設定されている場合が多く、また、施設によっては保証金が不要のところも存在しています。加えて、各室でのインターネット利用環境確保をはじめ、共用の会議・打合せスペースや従業員のためのシャワールームなどを設け、入居した企業に対する利便性を高めている施設も少なくありません。

 このように、創業予定、または創業間もない企業・個人・グループ等には、極めて利用価値が高く、魅力的な施設と言えますが、一方ではインキュベーション施設はその言葉の通り、企業育成のための孵化機能としての施設ですから、入居期間の期限を決めているところが殆どです。その期間は一様でありませんが、最長でも概ね5年以内が多いようです(延長更新のできる施設もあるようです)ので、基本的には企業として早く一本立ちして巣立っていき、地元に根付くことが求められていると言えましょう。 


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