一般的に物流業におけるIT化の考え方を教えてください。
Aまずは、物流業を取り巻くITの状況を説明します。
1. 物の流れを中心とした情報ネットワークの強化
いくらITを駆使して、受発注や決済などを改革しようが、「モノ」を発送元から発送先へ運ぶ行為は、インターネットでは行えません。だからこそ、リアルな「モノ」を情報と見立てた情報ネットワークが重要となります。
2. 物の流れが変化し、荷物の小口化が急速に進む
世の中が急速に情報とネットワークに依存していくにつれ、企業や一般消費者のニーズは劇的に変化しています。
いわゆる、
・ 欲しいものだけを
・ 欲しい分だけ
・ 欲しいときに
・ できるだけ安く
また、モノの流れも、"メーカー>卸>小売>ユーザ"という流れから、"メーカー>小売"、"メーカー>ユーザ"や、"ユーザ>ユーザ"などの流れも生じてきています。
これらの状況により、流通するモノは、小口化が急速に進んでいます。
これらの状況を踏まえて、物流業では、現在さまざまなIT化の取り組みが行われています。代表的なものをいくつか挙げてみましょう。
1.運送業務支援
(1) 輸配送計画支援機能
(2) 配車支援機能
(3) 運賃計算支援機能
(4) 貨物追跡機能
2.代金決済支援
(1) クレジット・オーソリゼーション
(2) 代金回収
3.物流支援
(1) 保管・流通加工支援
(2) 所要量予測機能
(3) 物流ネットワーク最適化支援機能
4.荷主企業への支援
(1) Webショップ立ち上げ支援
(2) コールセンター運営代行
(3) 各種情報提供
上記の機能については、すでにパッケージ化されたソフトウエアなどで実現していますが、自社にとってIT化が有効か否かを検討して導入しなければなりません。
近年では、製造から消費者にモノが届くまでの全工程を効率よく行うためSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)が構築されて来ています。
最後に、IT時代の物流企業に最も必要なのは適応性であることを忘れないでください。今後とも、企業や消費者の購買に関する要求は時間の経過とともに変化していくことは間違いありません。その変化に対応していける物流企業が、勝者となっていくことでしょう。
関連URL
SCM http://yougo.ascii24.com/gh/71/007129.html
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