BLOG - 201007のエントリ

つかこうへい氏への追悼

カテゴリ : 
四方山話
執筆 : 
ishiwatari 2010/7/28 21:21
井上ひさし氏に続きつかこうへい氏が亡くなった。

自己紹介の趣味に演劇鑑賞と記したように、70年代、80年代前半にかけて両氏の芝居や本で実に楽しませてもらった。特に、つか氏の芝居は、これ程までエネルギッシュで、刺激的で、おかしく、悲しく、切なく・・・五感にしみる思いをしたことは初めてだった。

「郵便屋さんちょっと」は天下の「ゴドーを待ちながら」よりずっとおもしろく、「熱海殺人事件」に至っては台詞を覚えてしまったくらいである。私の好きなパートは、「バスを降りて歩きました。・・・」財津一郎風にひじょ?に切ない。三浦、風間の伝兵衛、平田の熊田、加藤の金太郎・・・

「蒲田行進曲」の舞台で根岸の子夏はよかった。なんと言っても階段落ちは階段のない舞台の方がリアリティを感じた。最後のシルクハットでの正装はさすがのエンディング演出であった。とにかく使用する音楽が芝居とよくマッチして、体に染み込んだ。

「飛龍伝」に到っては、これが芝居になるのかと思えるほど、突飛で、創造的、想像的、しかも不思議とリアリティを感じた舞台であった。つか氏によるとご自身の作品でこれがベストのようなコメントをしていたと記憶している。

「広島に原爆・・・」はかとうかずこさんを初めてみた舞台であった。30万人を一瞬に殺傷する原爆がテーマで、少々テーマが重くあまり笑えなかったことを覚えている。でも、日本が勝ったらチョコレートの代わりとなる納豆を子供に配る件ははなはだ面白く。

などなど、今思い出しても次から次へと当時の思い出が鮮明に湧き上がってくる。
私のような無気力・無関心なものに震えるような感動を与えてくれたつか作品及び芝居に感謝と追悼の献杯!
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